俱利伽羅龍剣プロジェクト
伝統の継承
現在日本において、今でも仕事として日本刀を制作している刀鍛冶師の数をご存じでしょうか?
刀鍛冶師さんから直接聞いたところ、職業として作刀を続けている刀鍛冶師の数は日本全国に30~50人程度だということです。
全日本刀匠会から国家資格でもある作刀承認を受けて登録している刀匠の数は、2020年11月時点でも178人なのですが、実際に生業として続けている数はもっと少なくなります。
しかも登録はしていても高齢により引退している方や、他業種へ転職されて作刀してないという刀匠が数多くいらっしゃいます。
後継者不足の問題や海外の安価な工業製品に押されて、仕事で日本刀を制作している刀匠の数は年々減っているのが実情です。
「もう刀鍛冶だけでは食べていけない、衰退産業だから廃業するしかない。」と嘆く刀匠さんの声も聞きました。
これでは1000年先の未来まで日本刀の文化・技術を残していくことができないどころか、100年後、いや30年後には刀鍛冶自体が消滅してしまう可能性もあるのです。
そういった状況を少しでも良くしていくには、世の中に大きくアピールできるような作品を作り、まずは刀鍛冶業界の現実を広く知ってもらう必要があります。
まずはみんなが「あっ!」というようなインパクトがある刀剣を作って、なんとか刀鍛冶業界を盛り上げることはできないか?という思いから、この俱利伽羅龍剣プロジェクトは始まりました。
日本が世界に誇るコンテンツの一つである刀剣文化・技術は、長年先人たちが大切に守り続けてきてくれたものであり、これからも残していくべきものだと思います。
その文化・技術を私たちの時代で途絶えさせてしまうことは、なんとしてでも避けなければならないことです。
今までにない刀剣作品を制作していく過程、そして完成した姿を通して、少しでも刀剣業界のお役に立てればと考えています。